村瀬の井戸端会議!blog

上智を卒業した新社会人22歳の雑記ブログです。閲覧ありがとうございます!ブログを通じた出会いを大切にしていきます。

【本棚シリーズ】クリス・ギレボー著「1万円起業」

 

どうも、こんにちは!筆者の村瀬です。

今回は最近読んだ本について書きたいと思います。

 

その本は、クリス・ギレボー著 本田直之監訳「1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法」です!

 

先日ブックオフを物色しているときに見つけました。

大企業に入れさえすれば安泰とも言えなくなってきた現代において、小さな元手ちょっとしたアイデアで自由な生活を手に入れた「1万円起業家」たちのエピソードやそこから得られる学びが凝縮された一冊。1年間に20か国も飛び回る個人事業主としてキャリアを重ねてきた筆者が出会った経営者たちの経験談を中心に書かれています。

 

大規模な資本投資を必要としない1万円起業は、大きなリスクを負うことなく思いついたビジネスに挑戦できる点、常勤の仕事をしながらでも進められる点に興味を持ちました。

 

私があまたある中からこの本を選んだ理由と同じように、将来会社にとらわれず自由な生活を送りたいと思っている人や自分のアイデアで人を助けたいと思っている人にオススメです!

 

以下、私がこの本を読んで考えたことを記していきたいと思います。

 

 

「好きなことで稼ぐ」の落とし穴

副業というと何をしようか、自分の趣味や情熱を持ってやってきたものから着想するのはいい方法だろう。ただ、好きであることが必ずしもビジネスに結び付くわけではないと本書では述べられている。

ビジネスは、好ましいものを増やしたり疎ましいものを減らしたりという作用を顧客が実感し、喜んでお金を払うものである必要がある。

(テーマパークは楽しい時間や思い出を増やすし、家事代行サービスは家事に割く時間を減らすことができる)

 

あくまでもお客さんの課題解決に即したビジネスを探そうとする場合、確かに自らの趣味や好きなことに基づいている必要性はなさそうだ。でもせっかく自分の余暇の時間を使ってビジネスをやるのに、全く興味がないことや苦手なことに手を出すのも何か違う気がする。

 

その中間択として本書では、ポッドキャストの配信で成功したミニョン氏のエピソードを用いて「適度な情熱を適切なオーディエンスに結び付ける」ことの大切さを説いている。

 

ところで私の趣味は野球観戦で、贔屓の横浜ベイスターズなら選手名と背番号と出身校をそらんじることができるのだが、その愛や知識をビジネスに結び付けるのはなかなか難しそうだ。好きであることとそれが人の役に立つことは違う。

 

一方で私はエネルギーや環境の問題に興味があって、その方面の本を読んだり勉強したりすることは苦にならない。ベイスターズに対する愛には劣るけれども、私が一人暮らしを始めた時に公共料金の契約の複雑さに悩んだ経験や最近の環境意識の高まりを考えるとこちらの方が人々の潜在的な課題にコミットできそうに思える。

 

適度な情熱を適切な顧客へ、というのはこういうことなのかなと思った。

人々が求めているものを自分なりの視点で見出し、それを自分が情熱を注げる形で届けられればベストだ。自分の趣味や好きなものに視野を狭めてしまうのはむしろよくないのかもしれない。

 

価格は「コスト」で決めてはいけない

本書は3部構成で、1部ではビジネスをする上での基本的な考え方、2部ではビジネスプランから売り込むまで、3部でより売り上げを伸ばす一手について書かれている。

 

その2部・3部では、「価格をコストに合わせて設定するべきではない」「安易に安い価格にしないべきだ」というメッセージが繰り返し伝えられる。

安い方が無名でも買ってもらえそうだと思っていたので少し意外だった。

 

では価格は何で決めるべきなのか。それは「価値」だという。

本書ではスコット氏のアラスカのクーポンブックの例が挙げられている。クーポンブックとは現地の店やホテルで使える割引券が集約されている本のことだ。一般的なものは2000円程度なのだが彼は約1万円で販売した。彼は安さで勝負するのではなく確かな価値を顧客に提示し、他のクーポンブックより高くてもお得に感じるようなものに仕上げた。

 

1万円起業をするならこれは非常に重要な観点だと思った。小さい元手で大きな利益を生むには利益率を高める必要がある。その一つの方法として、人々が本当に求めるものを作りその付加価値をしっかりと価格に反映させることは意味がある。

 

価格がその品物の品質を判断する材料になることは多々ある。ブランドもののバッグがいい例だ。

無名だからこそ「この商品を買うことによるメリット」を明確にアピールすることが大切で、価格設定もそれを担保する材料になりうるのだということを学んだ。

(価格設定の仕方についても本書に書かれている)

 

顧客がお得と感じるなら必ずしも安くある必要はないのだ。

 

リスクは小さく

本書を通じてビジネスにおいては「コスト」と「リターン」だけでなく、「リスク」も同じくらい重要だと再認識した。

起業は銀行にお金を借りて行うものというイメージが何となくあるが、本書には「起業時の借金や多額の投資は必ずしも必要でない」と述べられている。小さいビジネスから始めてコツや信頼を得るのが先で、大きくするのはそのあとの段階だという。

 

そういえば私が就活の一環で上場1部の企業の創業者の方とお話ししたときも同じようなことを聞いた。

その方は1代で会社を年商数百億円もの規模の会社に成長させられた要因として、

「初めは小さな仕事でも1つ1つに期待を上回るパフォーマンスをする。そうしたら徐々に大きな仕事も任されるようになっていったんだよ」とおっしゃっていた。

なるほど、この原則はマイクロビジネスをする場合も、野望を持ってもっと大きな会社にする場合のどちらを取るにしろ大切な考え方なんだと思った。

 

思い切ってビジネスを始めてみることはいいことだけれど、思い切った資金繰りは必ずしも必要ないことがよくわかる。

 

顧客が求めているサービスを作り、顧客が得るベネフィットに基づいた価格設定で高い利益率を上げる。

言うは易く行うは難し。だからこそ元手を小さく、すぐに引き返せる形でスタートすることがなおさら重要なんだと感じた。

 

まとめ:あくまで成功体験

この本に書かれているのはどれも成功体験であってうのみにしてはいけない、とは思う。

私は21年の経験から「勝ちに不思議の勝ちあり負けに不思議の負けなし」に共感していて、本書に書かれている成功体験も成功した要因を的確に網羅できているとは思わないからだ。本人は意識していないけれども、彼らが持つ人脈やその他の能力が想像以上に大きく作用していた可能性は否定できない。本書に関して一つ欲を言うならば、マイクロビジネスにおける失敗談も載せてほしかった。

 

されども、この本から学べることはたくさんある。何よりもビジネスを思いついて動く資格のない者は誰一人いないということだ。私自身この本を読んでいる最中何度も立ち止まって身の回りの課題やビジネスの種を見つけようと試みた。そのうちのいくつかは私だけが所属するLINEグループに書き留めておいた。

 

1度きりの人生。企業に入れば生涯安泰の時代ではないからこそ、いつでも動けるようアンテナを張り巡らせておきたい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。皆さんの意見やアイデアなどコメントにお待ちしています!

 

インスタ→@village_10shit