見に行って分かった樹木葬(自然再生葬)のいいところ
どうも!筆者の村瀬です。
先日、日本でも珍しい「自然再生型」の樹木葬を運営している「森の墓苑」さんにお邪魔していろいろとお話を伺ってきました。
↓訪問記
もともとはNHKの番組を見た際これからのお墓の形としての将来性を感じて興味を持ったのですが、
実際に見学をしてわかったいいところもありましたので共有したいと思います。
樹木葬を知っていた人だけでなく若い人などにもぜひ知ってほしい内容ですので、最後までお読みいただけたら嬉しいです!
自然再生型の樹木葬とは?
森の墓苑HPより
まずどんなものかイメージつかない方が大半かと思いますので簡単に記したいと思います。
従来のお墓というのは、霊園の一角を買いそこに骨壺を埋め墓石を立てるのが主流です。
しかし近年はそれだけではなく樹木葬も普及してきています。
日本で多い樹木葬の形としては、
- 1つに墓石を建てる代わりに木を植えて供養するもの。
- 2つに公園のような土地に木(シンボルツリー)を植え、その周りに遺骨を埋めていくもの。
といった感じです。
このほかにも様々な形の樹木葬が存在しますが、
今回私が関心を持ったのが「自然再生型」の樹木葬です。
埋葬の方法は土に遺骨を埋め、その傍に苗木を植えるというものです。
自然再生型というのは言葉通り、樹木葬によって森林を再生させる取り組みを指します。
私が訪れた「森の墓苑」さんの場合、運営しているのは寺院ではなく公益財団法人・日本生態系協会という自然保護のプロ。
森づくりのノウハウを生かしながら、一度は緑が失われてしまった土地の再生を目指します。
「森の墓苑」のあった場所は以前は土砂採掘に使われていました。
本来であれば作業が終わったら自然をもとの形に戻さなければならないのですがそれが成されなかった土地でした。
そこで事情を知った日本生態系協会がこの土地で森林再生を目標にした樹木葬を始めたのです。
こうした形の樹木葬は日本でも唯一無二で、北海道や長崎から契約にいらっしゃる方もいるそうです。
樹木葬の魅力である「死後に生態系に還る」ことが真に実現できるのはこうした「自然再生型」だといえるかもしれません。
いいところ①森づくりに協力できる
近年はサステナビリティ(持続可能性)が何においても求められ、それはお墓に関しても言えると思います。
しかしながら従来の埋葬のやり方では自然環境や人の住環境を切り開いて墓地を作るしかありませんでした。
特に今は高齢化社会。さらなるお墓需要が予測されます。
地球温暖化など人間の活動が環境に与える悪影響が叫ばれる中、
死後くらいは地球環境をよくすることに貢献したい。
こうした価値観が普及する可能性は十分にあり得ます。
そうした時に現段階で最も適した埋葬の方法がこの「自然再生葬」だと思います。
自然再生葬であれば墓地を作るために環境を破壊することもないですし
まさに持続可能です。
実際森の墓苑さんでは森づくりに共感して契約に来られる方も多いと聞きました。
いいところ②無宗教
これは人にもよりますが、私のように宗教に無関心な人にとっては大きいと思います。
寺院が運営するお墓に入るとその寺院のお坊さんなどと付き合いが発生する場合があります。
そうでなくても毎年の管理費や寄付など、金銭的な負担が発生することも多いです。
自分は○○宗だ!と自負のある方ならいいですが、特に若い世代の宗教への関心が薄い人々にとっては煩わしく感じるかもしれません。
その点こうした財団法人が運営するお墓であれば無宗教であるために宗教的な付き合いは必要ないし、後述しますがペットと同じところに眠ることもできます。
今の時代は子供のいない家庭や未婚、一人っ子の家庭も多いですから
死後に残った人たちに苦労を掛けたくないという意味でも自然再生葬は選ばれつつあります。
いいところ③ペットと入れる
森の墓苑さんに契約に来る半数はペットを飼っている方だそうです。
一般的な霊園の場合、ペットが入れないところはまだまだ多いです。
そのためどうしてもペットをお墓に入れたい人はお墓を買い直すか、ペット霊園と新たに契約するほかない現状があります。
昔であれば一軒家も多かったので庭に埋めることもできたかもしれませんが、
近年はマンション住まいの方も多くそうはいかなくなってきました。
ペットのためだけに墓を移したりペット霊園を探したりするのは手間も時間もかかります。
なので理想を言えば
自分もペットも同じところに入れるお墓を見つけたい!
というニーズは当然出てきます。
その点自然再生葬なら無宗教であるために動物も埋葬でき、値段に関しても一般的な墓石のお墓より低く抑えられます。
↓以前書いた記事
いいところ④祈る対象がある
お墓というのは残された人々にとっての心の拠りどころでもあります。
私は実家に帰った時には毎回祖父の入っているお墓に行きます。
故人に会いに行く場所があるというのは残された人の支えになると思います。
樹木葬と趣向は似ているのか、近年は自然葬を行う人も増えました。
自然葬というのは海への散骨が有名ですが、自然の中に遺骨を撒いて自然に回帰するものです。
この自然葬と比較してもっとも異なる点は祈る対象物が存在していることです。
どこに行けば故人に会えるというのがはっきりしていながら、自然への回帰という希望も果たせます。
自然葬を検討している方はぜひ自然再生型の樹木葬とも比較してみてほしいと思います。
まとめ:お墓参りに行くのが楽しみになるお墓
森の墓苑さんに伺って感じたのは、ただのお墓ではなく生き物たちが集まってくるような環境を作ろうとしているなということです。
実際(私が訪れた日は雨天であまり見られませんでしたが・・・)フクロウやサシバという鷹の仲間、イノシシやカエルなど様々な種類の動物たちが生息しているそうです。
また森の墓苑さんで行われているイベントの写真を見て、目から鱗が落ちた思いがしました。
人々がこんなに楽しそうに集えるお墓があるとは考えたこともなかったからです。
私が幼いときはお墓参りは退屈だとしか感じたことがありませんでした。
でももしこんなに自然に触れ合える環境だったら、お墓は行くのが楽しみになる場所に変わるだろうなと思いました。
楽しめるのは子供だけではありません。こちらの墓苑では7割が生前契約。
これは自然再生型の樹木葬であれば自分のお墓の木が育っていく様を生きているうちに見ることができるからだそうです。
これは墓石のお墓ではどうにもならない魅力ですよね。
こんな感じで、実際に森の墓苑さんに行ってみて令和時代のお墓の形を見た気がしました。
しかしこの形の樹木葬が日本全国に広がっていないのはそれなりの課題があるからで、、それに関しては次回の記事に書こうと思っています。
なんにせよ少しでも興味を持った方はぜひ調べてみてほしいと思います!
私もまだ大学生の若者ですが、人はいつか死にますのでお墓の問題は他人事ではありません。
より良い形の社会を作っていきたいものですね。
では。
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