村瀬の井戸端会議!blog

上智を卒業した新社会人22歳の雑記ブログです。閲覧ありがとうございます!ブログを通じた出会いを大切にしていきます。

樹木葬が拡がるための3つの「課題」

f:id:muraseidobata:20220116143720j:plain

どうも!筆者の村瀬です。

 

今回も最近私が関心を持っている樹木葬について書きたいと思います。

 

これまでにも何回か書いてきましたが、樹木葬というのは今の日本社会が抱えるいくつかの問題を解決する有効な埋葬方法だと私は考えています。

ただ、今の現状においてなかなか樹木葬が普及できない事情もいくつか見えてきました。今回はそのことについてです。

そもそも土地取得が難しい

私が先日お伺いした里山再生型の樹木葬森の墓苑」さんは千葉県長南町というところでお墓の運営をされています。

この場所はもともと土砂採掘によって緑が失われていた土地で、

日本生態系協会という財団法人が土地を購入し樹木葬の取り組みを通じてその森林を再生させようとしているということは以前の記事にも書きました。

 

スタッフの白井さんのお話によると、元々は箱根や那須といった知名度の高い土地も候補に挙がっていたそうなのですが、

樹木葬といえど「墓地」であるという理由で受け入れてもらえないことも多かったそうです。

 

一方で千葉県の長南町はお米の生産が盛んで自然保護への理解が厚い地域だったうえに、

協会と地域住民の交流もあったため日本唯一の形の樹木葬がここでスタートできたということです。

 

墓地というのは人が生まれて死ぬ限り必要なものであるにもかかわらず、どうにもそのことについて考えることを人々は嫌います。

樹木葬の土地取得に関しても、家の隣に「緑豊かなショッピングモール」はOKでも

緑豊かなお墓」はNGになってしまうのが人の本音というものです。

 

新しい形のお墓を普及させる上では、新たな土地取得にあたっての地域住民の理解というのが1つの壁になっていることが見えてきました。

 

公益財団法人のジレンマ

まず初めにお墓事業を行うことができるのは基本的に市町村など自治宗教法人公益法人に限られているそうです。

私が訪れた「森の墓苑」さんは3つ目の公益法人が運営するお墓ということになります。

 

おそらく一般企業がうかつに参入して倒産した場合とんでもないトラブルになりかねないので、

長期間・非営利的に・安定してお墓を運営できるこれらの団体に限定されているんだと思います。

 

長期にわたり行う事業でありながら、営利的な活動ではあってはいけない

ここに私はジレンマを感じました。

 

例えば公益財団法人である「森の墓苑」さんでは人とペットの埋葬はできるけれど「ペットのみ」の埋葬はできません。

これはペット葬が「収益事業」にあたり、公益財団法人では「収益事業」を主にした活動は許可されていないからなのです。

(公益財団法人のすべての収益事業が認められないわけではありませんが、協会の運営方針として収益事業を行わないこととしているのでペットだけのお墓は設置していないということです。)

 

また公益財団法人は収益を得ることを目的とした団体ではないので、収益を得ても次の年度や別の活動へ繰越すことになっています。

一般企業のように資本を集めて宣伝広告費に投資しリターンを株主に還元するというようなダイナミックな動きはできにくいのだといいます。

 

高齢化による土地利用の問題や家族構成の多様化など、

お墓というのは今や経済活動とも深い関係性の中にあるにもかかわらず

その特性と法律ゆえに大きな変化を起こしづらい市場であることが分かりました。

 

特に公益財団法人は宗教や国籍を問わない近未来型のお墓運営ができるという魅力的な事業を行える一方で、

公益財団法人だからこその制限も課せられてしまっているというジレンマにあるなと感じました。

 

知名度の課題

今この記事を読む前に樹木葬のことを知っていた方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。

 

日本における樹木葬のスタートは1999年の岩手県知勝院さんでした。ここも森林づくりをしながら埋葬も行うという形でした。

f:id:muraseidobata:20220130172313j:plain

この時知勝院のご住職は「樹木葬」というものを世に広めることを優先し商標などを取って独占することはしませんでした。

結果として全国に樹木葬と呼ばれるものは普及しましたが、

明確な「樹木葬」の定義がなかったことで様々な形のものが生まれてしまい「樹木葬」の輪郭をぼやけてしまったのも事実です。

f:id:muraseidobata:20220130171442j:plain

樹木葬と検索すると上の画像のような写真が出ますが「樹木」葬というには木が乏しいなという印象を受けてしまいます。

 

知勝院さんや森の墓苑さんのような形よりも、墓石の代わりにシンボルツリーを植える形の方が圧倒的に多いためそちらの方がスタンダードになってしまっています。

森林再生型は森の墓苑さんが唯一無二というくらいレアな形態なので、

なかなか一般の方への知名度が広がりにくいです。

 

担い手が限定的で土地取得も簡単でないとなると新規参入もどうなのかな?という感じなので今後樹木葬をどのように広めていくかは難しい課題です。

 

まとめ

実際にお話を伺っていてこんな風な課題があるなと感じました。

変化の大きい現代でお墓の形だけ変化をしないわけにはいかないと思います。

 

土地利用や新規参入の規制緩和も含めて、これからの時代にあったお墓選びができる世の中になったらいいなと思うんですけどね。。

でも緩和しすぎて業者が乱立し人々が安心してお墓づくりをできなくなってしまっても良くないので、なんにせよ十分な議論が必要です。

これからもいろいろ調べを進めて情報発信ができたらと思うので読者になるをぜひお願いしますね(笑)

 

では。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。☆や読者になる、コメントをぜひお願いいたします<(_ _)>