国の借金は大丈夫説、大丈夫じゃない説
国の財政についての議論で、
国はたくさん借金しても大丈夫だ派と将来にツケ回して借金するな派がいます。
色々とニュースを見てきて自分なりの理解が出来てきたので書いてみたいと思います。
まず、こうして議論が分かれるのは「プライマリーバランス」への考え方の違いがあります。
プライマリーバランスとは簡単に言えば国の収入と出費の割合のことです。
収入は税金など、出費は社会保障費などを指します。
これまではこの釣り合いがとれているべきだと考えられてきました。
これを重視し無駄遣いをしないように求めるのが借金減らせ派(金融引締め派)の人々です。
一般的に収入よりも支出が多いのは不健全でしょう。
また、あまりにも市場にお金を増やしすぎると円の価値が下がってインフレを引き起こします。
財政破綻やインフレへの危惧からお金を刷りすぎるな!というのが金融引締め派の主張です。
一方で借金してもいい派(金融緩和派)の人々はこのPBは重視せず現在の景気をよくするためにお金をたくさん刷ってもいいと思っています。
この理屈として国は個人と違って自らお金を刷ることができるからというのがあります。
必要になったらお金を作れるから、収入に合わせて支出を決める必要はないということです。
国内で借金する分には大丈夫なんだから、必要な時に必要なだけお金を市場に投入しよう!というのが金融緩和派の考え方なのです。
借金大丈夫派と大丈夫じゃない派、どちらが正しいのかは簡単には言えません。
大丈夫派にも一理あります。
国の借金は個人の借金と違い、返せなきゃすぐ誰かに取り立てられるということはなく、発行する国債の信用と引き受け手がいれば即座に破綻するというものではありません。
今もGDP比の政府債務残高が世界ワースト3位でありながら国が存続できているのはそれがあるからです。
また国の借金を恐れるあまり増税をしたり社会保障費を削ったりするのはかえって国の経済や国民の豊かさを侵害することにもなるでしょう。
大丈夫じゃない派も正常な反応です。
お金を発行することに抵抗がなくなりすぎると政府によるバラマキが横行したり、極度のインフレを引き起こしたりする恐れがあります。
また近年は金融緩和策がとられていますが、
お金が企業内の内部留保にされてしまったり利益を得られる人が限られてしまったりして国民に恩恵が届かないという事態になっています。
せっかくお金を刷っても効果的に使われなければ意味がないという指摘はもっともだと思います。
この記事をもって何が正しいかを断言することは私にはできません。
ただ国の借金という問題を見る時には、私たちの普段のお財布というよりも会社の経営の方がイメージが近いのかなと思いました。
日銀という親会社が国内銀行という子会社たちとお金をやり取りする分には問題ない。
外部の銀行(国で言えば外国)からの貸し付けが多いのは問題だが、
自己資本(株式)や社債であれば信用と引き受け手がいれば大丈夫。
成長に見合った借金ならしてもよい。
という感じで。
実際国の借金を恐れて税金がどんどん上がっていったら国が破綻する前に個人が貧乏になっていってしまいますし、塩梅が非常に重要なんだろうなと思います。
また一般国民の態度としては正しくない情報で過度に楽観したり心配したりしてしまわないために、一定のリテラシーを持っておくことが必要でしょう。
少し難しい話題でしたがいかがでしたでしょうか。これからを生きる世代としてこうした問題についてはより知識を深めていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。では。